2児の母が病院薬剤師に転職したら、パワハラ上司のもとで、うつ病一歩手前になってしまった話

【性別】女性
【年齢】(仕事が大変だった当時)
30歳
【当時の職業】
病院薬剤師
【当時の住まい】
夫と4歳&1歳の子ども2人との4人暮らし。
購入した一軒家に住んでいました。
【その仕事はまだ続けてる?もう辞めた?】
転職して、違う業種で働いている

【就職のきっかけと経緯】
第一子出産後、調剤薬局にパートで勤めていましたが、病院での経験も積みたいと思い、第二子出産を期に調剤薬局をやめ、病院に転職しました。
【環境と仕事内容】
病院は院内処方だったため、外来の処方せんに基づいて調剤し、患者に投薬していました。
また、外来が一段落したら、院内処方の調剤と入院患者への服薬指導も行っていました。
人員が定着しない職場だったため、正職員4名とパート2名&事務1名で仕事をしており、目の回るような忙しさでした。
私は昼過ぎまでのパートでしたが、正職員の人たちは夜遅くまでずっと働いていたそうです。
【大変だった時期】
30歳で病院に勤めはじめ、最初からずっと大変だった。

【大変だったこと】
業務が忙しかったこと以上に、人間関係が大変でした。
上司はとても優秀な人で、自分にも他人にも厳しいタイプ。
毎日怒鳴られていました。
私だけでなく、ベテランの人にも怒るので、怒られている内容は悪くないと思います。
ただ、わからないことがあって尋ねると「前にも言ったでしょ?」と怒られ、怖くて聞きにくいため余計にミスをして、また怒られ…という悪循環でした。
上司以外の正職員も、みんな同じような態度でした。
調剤薬局から病院への転職で、院内で使う注射薬などは初めて扱うものがほとんどだったので、私自身も勉強しました。
子どもがまだ小さく起きている間は家事・育児で精一杯だったので、子どもが寝たあとや、夜中に起き出しては、注射薬の勉強をしました。
それでも、仕事で何かミスがあれば怒鳴られる…自分のミスや知識不足とはいえ、とても辛かったです。
【大変だった期間】
勤めはじめた時から、1年9ヶ月後に退職するまでずっと。

【当時の心境】
自分で望んで就いた病院での仕事だったので、なんとか努力しようと思ってしがみついていました。
怒られるのは自分の努力不足だと思い、勉強するチャンスだと捉えて勉強していました。
それでも、仕事に行く途中に子どもを自転車に乗せて走りながら「今、事故にあったら、仕事行かなくてよくなるかなぁ」とぼんやり考えてしまうような精神状態でした。
【職場が大変だった原因】
自分にも落ち度はあったと思います。
ただ、上司をはじめ職場の人たちの雰囲気や不寛容、ミスが起こった時の対応が、大きな原因だと思います。

【仕事で良かったこと】
患者さんに服薬指導するときや、患者さんの疑問を解決できて感謝されたときは、嬉しかったです。
医師から薬の質問をされて、適切な薬を提案できたときも、調剤薬局では得られない、病院ならではの達成感だと思いました。
また、必死に勉強して得た知識は、薬剤師として仕事をする上で、今でも役に立っています。

【特にひどかった最悪の出来事】
一度、精神的につらすぎてやめようと思い、退職願を出したことがありました。
その時に、「これまで育てたのに」「やめるなら勝手にやめろ」「ここでやめて、あんたなんか雇ってくれるところはどこもない」と1時間ほど散々罵られました。
ところがその後、「でもやっぱり、ここでやめるのはもったいない」「せっかくここまでがんばったのに」「努力してるのも知ってるよ。
あなたならできる」と言われ、結局そのまま退職せずに留まることに。
私も、そうだなぁと思って、もうちょっとがんばってみようと思い直しました。
ところが、その後も上司の態度は変わらず、辛い日々がずっと続きました。
今思えば、あの時スパッとやめておいたら良かったと思います。

【相談した人・助けてくれた人】
夫には、職場のことをずっと相談していました。
子どもとの生活でなかなか勉強する時間が取れなかったので、土日は夫が子どもたちを遊びに連れ出して、私が勉強する時間を確保できるように協力してくれました。
とてもありがたかったです。
【改善のための行動】
怒られるのには私の知識不足も原因なので、とにかく勉強しました。
全ての注射薬を覚えるのは難しいので、ポケットサイズのノートに、取り扱っている注射薬の名前、用法、効能、投与方法の注意などを全て書き出して、仕事の際にカンニングペーパーとして使っていました。

【現在の状況と心境の変化】
勤めて1年半くらいたった頃、第三子の妊娠がわかり、それを理由に退職しました。
おそらく、妊娠がなければ今も辞められずに勤めていたかもしれないので、第三子には命を救われたような気持ちです。
第三子が少し大きくなってから、調剤薬局に転職し、今でもそちらに勤めています。
今の職場は人間関係が良く、ミスをしてもみんなでフォローしあって、みんなで相談しながら再発防止に努めることができる職場です。
【学んだこと】
怒られる立場の人の辛さが、身に沁みてわかりました。
また、精神的に追い込まれて自殺してしまう人の気持ちもわかります。
死ぬくらいなら逃げればいいのに、と思っていましたが、渦中の本人は逃げることができません。
自分がもう少しがんばれば…自分のせいだから…と、どんどん自分を追い込んでいくのだと思います。
それを知れたことは、この先生きていく上でも、子どもたちを育てていく上でも糧になると思います。

【当時の自分へのアドバイス】
心と身体が壊れてしまう前に、逃げたほうがいい。
今の職場以外にも、自分が活き活きと輝ける場所は必ずあります。
活躍できる職場や、人間関係に恵まれている職場は、必ず見つかります。
辛い想いを抱えて、ある日プツッと糸が切れてしまったら、自分にとっても子どもや家族にとっても不幸です。
自分が笑って過ごせることを第一に考えましょう。